鑑賞・評価のポイント ~巾・キャパシティー
作品の巾とは
キャラクターの話しで恐縮ですが、よく例に出されるのがサンリオのキキララとハローキティの比較です。
小さい女の子に大人気のかわいいキキララですが、ターゲットになりうる年齢層は幼児、低学年に限定的です。
一方同じサンリオのハローキティはもともと低年齢層向けでしたが、デザインをアレンジすることで巾を拡げることができました。
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キャラクター(物語性)をあえて消し、モノトーン、抽象化、ロゴ化することで対象を拡げています。
このように、端的には対象となる年齢層、嗜好性など、これらの「巾」が一般には広い方がいい作品と言えます。極狭コアファンというジャンルもあるにはあるのですが、ただ単に狭い作品と本当は巾の広い作者が、意図的に思いっきり狭く描いたというのでは違うのです。
それはしばしば作者の「人間としての巾」「能力」「キャパシティー」と相関をもって語られます。
シャッターを同じように押せば同じ映像になるはずの写真でもこの「巾」問題は出るのです。写真の根本命題「何を表現したいのか」に関わることなのです。
同じように「上手い」作品であっても、キキララ的かハローキティ的かの見極めは必要です。
ピークか発展途上か
作品と、作者を観る時、「巾(キャパシティー)」とも関連するのですが
- 能力のピークか
- まだ途上なのか
- ピークを打った後アウフーベンしたのか(修破離)
パッと見は同じような作品レベルであっても鑑賞・評価する側からは大切な要素です。
何を、どうとらえるか、表現するか(伝えたいか) ・・というのは、経験であったり人生の深みが必要です。
それを感じとる--青いなら青いなりに面白いこともある--のが作品を鑑賞・評価する楽しみでもあります。
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